失敗しないための!スキーシール(クライミングスキン)の選び方
2019.08.18
スキーシールも今や毛の素材、接着方式などにたくさんの種類(メーカー)があり自分には何があっているのか選択が難しくなってきています。
そこで今回はシール(クライミングスキン)の選び方についてお伝えします。
スプリットボードも同じです。
(追記 2023.8.5)
Contents
シールの選び方-STEP1 スキンの素材
お使いのスキーのメインシーズンはいつでしょうか?
スキーシールの毛の素材はモヘアとナイロンがあります。
またはモヘアとナイロンのミックス。
一般的にモヘアは乾雪、ナイロンは湿雪に効き易いといわれます。
今回選ぶシールを装着するスキーがどの雪質で使うことが多いのかによって素材を決めましょう!
しかし、実際はいろいろな雪質で、いろいろな時期に使うと言う場合もあります。そんな場合はモヘアとナイロンをMixしたシールも発売されています。
また、グロップ力も大切ですが前方への足の運びやすさも重要なポイントです。
特に長いハイクアップになってくるとグリップが良すぎて、前方への滑りが悪いシールだと疲れもたまってきます。
一般的には前方への滑りの良さ(グライド力)はモヘアの方が良いと言われています。
(ナイロンでも毛の向きなどにより前方への滑りの良いものもあります。)
2023年最新のシールラインナップでご紹介します!
(一部旧モデルも掲載中)
※レース向けなどの商品はリストアップしておりません。
モヘア100%シール
・ポモカ TOUR PRO COLD
・colltex パウル
・contour Hybrid pure
ナイロンシール(ナイロン100%)
・ブラックダイヤモンド アセンションスキン
・ブラックダイヤモンド アセンションスプリットスキン
・モンタナ モンタニー CUT&GO SET
・モンタナ モンタニー CUT YOUR SKINS
・G3 アルピニストプラス ユニバーサル
・G3 アルピニストプラス グリップ
・G3 ミニミスト ユニバーサル
・G3 エスケーピスト ユニバーサル
スプリットボードシール
・ポモカ スプリットボードエクスプローラ
・G3 スプリットボードプラス ユニバーサル
・G3 スプリットボードプラス グリップ
・G3 スプリットボードLT ユニバーサル
モヘア&ナイロンMixシール
・ブラックダイヤモンド グライドライトミックスFL (モヘア:ナイロン=65:35)
・ブラックダイヤモンド グライドライトミックス スプリットスキン (モヘア:ナイロン=65:35)
・ポモカ TOUR EXPLORE (モヘア:ナイロン=65:35)
・ポモカ TORE PRO(モヘア:ナイロン=65:35) (TOUR EXPLOREよりグライド力↑)
・ポモカ FREE PRO ※※(素材公表なし)
・colltex トディー (モヘア:ナイロン=65:35)
・モンタナ モンタミックス CUT&GO SET (モヘア:ナイロン=65:35)
・モンタナ モンタミックス CUT YOUR SKINS (モヘア:ナイロン=65:35)
・G3 アルピニストプラス グライド(モヘア:ナイロン=70:30)
・G3 ミニミスト グライド (モヘア:ナイロン=70:30)
・コーラ ユニバーサルグルー (モヘア:ナイロン=?:?)
・コーラ ユニバーサルバキューム135※ (モヘア:ナイロン=?:?)
・コーラ ピークススプリットボード (モヘア:ナイロン=?:?)
・マジックマウンテン ミックスモヘアクラシック (モヘア:ナイロン=70:30)
・contour Hybrid mix ※ (モヘア:ナイロン=65:35)
・contour Hybridスプリットボード ※ (モヘア:ナイロン=65:35)
スプリットボードシール
・ポモカ スプリットボードプロ ※※(素材公表なし)
・G3 スプリットボードLT グライド (モヘア:ナイロン=70:30)
※ は後述のグルータイプではないシール
※※ ポモカのフリープロ、スプリットボードプロは材質が公表されていないためモヘア&ナイロンMixシールに分類してみました。
シールの選び方-STEP2 スキンの幅
シールの幅がしっかりスキーに合っていないと、急斜面でのスリップにつながり、思うように斜面を登れず体力を消耗してしまいます。
シールがスキーのエッジより1mm位入った位置でサイドカーブに沿っているのが理想的です。
ではどこで合わせましょう?
つまりシールのサイドカーブの始まりはどこにしましょう?
シールをトップの幅で合わせる場合
スキーのディメンションと呼ばれるTOP(トップ幅)-CENTER(センター幅)-TAIL(テール幅)のうちTOPを見ます。
トップ幅(板の最大幅部)のプラス1cm〜マイナス1.5cmくらいの幅のスキーシールがベストです。
たとえば132mmのトップ幅のスキー板では140mm〜125mmくらいのシールが合います。
125mmではトップからしっかり効かないじゃん!?
と思うかもしれません。
でもスキーには通常サイドカーブがあります。
トップ幅が132mmでもトップから10cmも下がればスキーの幅は125mmになります。
トップ付近に滑走面が露出する範囲は少しなので問題は全くありません。
シールを板のセンター幅付近で合わせる場合
上ではシールをスキーのトップで合わせる場合について説明しました。
でも、板によって、または状況によっては板のセンター付近の幅で合わせても問題ない場合があります。
例えば細板のようにあまりサイドカーブの無い場合。
この場合はセンターのエッジより少しインに入った幅でシールのラインアップが見つかればそのままシールをカットせず、ストレートで使っても良いです。
ただ、最近は60mmのストレートなシールなどのラインアップは少なく見つけるのが大変かと思います。
また普通の板でもあまり急な場所で使わないというならば、同じくセンターのエッジが出るくらいの幅のラインアップがあればそれをそのままカットせず使っても問題ありません。
ただ当然急な斜面が来れば、滑走面の露出が多いので滑ることが多くなります。
細いシールを使うとどうなるのか?
余談ですが、私は昔板の片方は理想的なスキン幅でもう一方は訳が有って理想より1cmくらい細いスキンで立山に行ったことがあります。
(カットに失敗してサイドカーブには合っていますが細くなってしまったシールです。
名誉のために言うと私が失敗したのではありません。笑)
ご想像の通り、細い方の足はずるずるとスリップしてめちゃめちゃ疲れました…
その時以降板には適切な幅のスキンを用意するべきと確信しました。
スキンも今や3万円の時代です。
何本か板を所有しているとスキンは1本で使いまわすという人もいるでしょう。
どんな時も駄目とまでは言いませんが、スキンは身の安全を守る道具でもあります。
あまりに幅が理想より細い場合の使用はお勧めしません。
3万をケチって身を危険に晒すのは賢明でないと思います。
シールの選び方-STEP3 固定するトップ&テールのパーツ
スキーのトップ、テールの形は様々です。
しっかり固定されていなければ意味がありません。
しかし慣れている方はテールはパーツで固定しなくても大丈夫と言う方もいます。
扱いに慣れていて、しかもしっかり丁寧に貼っている方です。
不安な方はテールにパーツの入っているシールをおすすめします。
通常はシールの購入時に付属されているパーツでテールは問題なく固定できますが、テールがツインチップスキーのように丸い場合はG3 ツインチップコネクターキットなどを使って固定できます。
このパーツはG3スキーシール用ですがBlackDiamondのSTSシステムとも相性が良いです。
またしかも最近は接着面がグルータイプでないシールがあります。
グルーがベタベタになることもないので扱いやすいように思います。
しかし実際はかなりの低温化やベチャベチャな水分が多い雪の場合、シールが滑走面にくっつきにくくシールがはがれやすい場合があります。
そのようなシールの場合はテールも固定することをおすすめします。
(これについてはstep4として紹介していますがこの段階で判断することもあります。)
スプリットボードのシールのテールの固定方法
スプリットボードの場合はG3のテールコネクターキットとG3のツインチップコネクターキットで上手くいくことが多いです。
G3スキンテールコネクター
(販売サイトへリンクしています。)
また最近ブラックダイヤモンドからスプリットボード用のテールストラップが発売されました。
ただ、こちらすべてのスプリットボードで上手く使えるというわけではありません。
先日お持ち込みいただいたボードではうまくいかず、通常のSTSテールストラップで上手くいきました。
しかもG3のツインチップコネクターキットも使わずに。
ボードの形状によって使うパーツが違いますので選ぶ際にお店に板を持ち込むことをおすすめします。
ちなみにスプリットボードの場合先端(TOP)はスキー板と違い斜めにパーツを付けるようになります。
シールの選び方-STEP4 シールの粘着タイプ
場合によってはこの項目を1に持ってきてもいいかもしれません。
シールをスキーにくっつける面(粘着面)の素材の話です。
シールは一般的に有機樹脂ベースのグルー(糊)が使われています。
ペタペタするやつです。
特に気候等の理由により日本に多いのですが、そのグルーが経年によりベタベタになることがあります。
(ベタベタになってしまったらグルーの張り替えで復活できます。詳しくはこちらをご覧下さい。)
使用方法、地域などによってはそのような症状の出ない方もいます。
なのでグルーで大丈夫、グルーが好きという方もいます。
そのようなグルーの劣化、変質のトラブルの対策としてグルーを使わないシールがあります。
STEP1で※を付けたシールです。
具体的な商品名ですと、コールテックスのクラリーデン(旧モデルはウィジー)、コールテックスCT40、コールテックスのCONBIN、ポモカのTIPON、 contour のシール、コーラのバキューム、GeCkoがそれにあたります。
素材がシリコンだったりアクリルだったりまちまちなので扱い方、特徴など各社独特でバラバラです。
使いたい、好きな、気になる素材などがあったらそれを選んでから上記の1に戻りシールを選んでも良いと思います。
STEP4→1→2→3 の順です。
※もうグルーを張替えて20年以上になりますので、シールもかなりの数を見てきましたが(年間200本は張り替えています。)、一時期多くなったグルーでないタイプは最近は減ってきて、主流はまたグルータイプに戻ってきていると思います。
個人的な考えも入りますが、かなりの気温が低い状況、風と共に雪が吹き付ける状況、春のシーズンなど雪がベシャベシャで水分だらけの状況などの悪条件ではグルーでないタイプはしっかりと取り扱わないと板から剝がれてしまうこともあり、そういった条件下で剥がれるともう一度板に張り付けようとしてもうまくくっ付いてくれないことがります。
そう言った条件下ではやはりグルータイプの方が対応できることが多いです。
そのため一時期増えたグルーでないタイプも姿を消してきたのではないかと思います。
(コールテックスのCT40、コンバン、ウィジー、クラリーデンやGekkoはもう消えてしまったモデルです。)
まとめ
STEPを4つに分けてシールの選び方を解説してみました。
ある程度の参考にはしていただけるのではないかと思います。
ただ、シールの説明には上級者用などと書いて有るものもあります。
これはシールをグリップさせるのがうまい人は、シールをうまく効かせられるため多少グリップ力の劣るシールでも前方への滑りを重視して選ぶこともあるので上級者用と言っている場合もあります。
なのでバックカントリーを始めたばかりの人が重視するポイントが前方への滑りでしたらそのシールを選んでいけないわけではありません。
どれを選んでいいか分からなくなってしまった場合には専門店に相談すれば良いものをチョイスしてくれると思います。
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【特典3】板の形状によってパーツの交換が必要な場合、パーツをご購入いただければ改造代は無料です。
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